ゴンゴンのダイエット日記

日本人には米より粟

2022年1月19日(水)の食生活

  • デニッシュパン
  • コーヒー

  • 白米
  • 豚肉の生姜焼き

昼間まともな食事ができず、夕方にみかんとカロリーメイトを間食した。以前途中まで読んで止まっていた『デジタルエコノミーの罠』という本をまた読み始めている。レコメンデーションの政治経済学的な部分が面白い。 Netflix のレコメンデーションコンテストで、結局のところアルゴリズムの優秀さよりもデータ量の方が大事だという結論が出たというところが面白かった。アルゴリズムの精度は一定のところまで行くと頭打ちになるし、それだったら大量にデータを持ってる方が精度の良いレコメンデーションができるということらしい。規模の小さいサービスや会社が超優秀なデータサイエンティストを雇っても、データが少なければレコメンデーションの精度が上がらず良い結果を出せないということだ。なのでいまのレコメンデーションエコノミーは強者が益々強くなるような構造になっている。古き良きテキストサイト時代のインターネットはもう戻ってこないのかも知れない。

インターネットの時代、経済学はもっと注目されて良いと思う。自分はあまり学生時代勉強していなかったが、インターネットサービスの運営には経済学の考え方がピタリとあてはまる部分が多いと感じる。経済学が想定する市場は合理的経済人で構成されていて、情報が完全に行き渡っている場合を想定して競争均衡に辿り着くという考え方をする。しかし実際の市場には情報の非対称性が存在するため(八百屋が二軒並んでたとして、隣の八百屋の方が大根が安いかもしれないが、知らずに最初に入った八百屋で大根を買うなど)、必ずしも競争均衡に至ることはない。しかしインターネットの世界では情報の非対称性が限りなく小さくなるので競争均衡が起こりやすい。家電を買うときは楽天Amazonヨドバシカメラを比較して買うのは今日では当たり前だろう。 kakaku.com のような価格比較サイトまであるくらいだ。経済学が想定する市場に現実の方が近づいてきている。理論が現実に歩み寄るのではなく、現実の方が理論に近づいているのが面白い。

仕事の場でも経済学の知識を活かせる機会は増えていくと感じる。特にプラットフォームサービスを運営する会社での仕事はほとんどエコノミスト的な仕事になってきている。これまで東大や一橋大学を出て国家公務員一種試験に合格して財務省とか金融庁とか経済産業省とか公正取引委員会とかに就職しないと大学で学んだ経済学の知識は活かせなかった。いまはスマートフォンアプリ内にプラットフォームを構築できるようになっている。プラットフォームのなかでは価値交換が発生するので、必然的に経済ができあがる。 UberAirbnb 、メルカリのようなマーケットプレイス型のアプリでなかったとしても、何らかの経済活動は起こる(いいね、フォローなどは広義の経済活動だと言える)。となると国家公務員一種試験に合格しなくても、経済省庁の官僚殿のように、経済学的な観点から政策立案をしていくことが必要になる。限りある資源(サービスの人的リソース、ユーザーの可処分時間、アテンション)をどう配分してプラットフォーム内の効用を最大化するかという話になる。

経済学部の学生というのは企業から比較的人気があった方だとは思うが、それよりも理系の方が就職良かったし、さらにいうなら勉強してきた内容とかはどうでも良くて、文系であれば法学部か経済学部か商学部を出ていて、面接で面白トークができて、学生時代はサークルの代表をしていればそれでオッケーという感じだった。そうではなくて、ちゃんと大学で経済学を勉強していて、専門性を活かしてプラットフォームサービスの会社に就職できる、という流れになると面白いのではないかと思う。経済学的な観点から世の中を考えるのは面白いし、きっと世の中が良い方向に進んでいくと思う。